【工務店とハウスメーカーの価格を徹底比較】どっちが安い?価格差はどのくらい?
こだわりの詰まったマイホームは、人生を豊かにしてくれます。
マイホームへの期待が高まるのと同時に、購入費用にいくらかかるのか気になって仕方がない人は多いでしょう。そこでこの記事では、
- 工務店とハウスメーカーの価格差はいくら?
- 工務店がハウスメーカーより安いとされる理由
- 工務店とハウスメーカー、それぞれのメリット・デメリットは?
など、工務店とハウスメーカーの価格差を比較し、より安く建てられる方法を紹介します。
価格差とあわせて、工務店とハウスメーカーではそれぞれどのような家が建つのかについてもお伝えするので、ぜひ家選びの参考にしてくださいね。
INDEX-目次-
注文住宅を建てるなら工務店が安い
マイホームを安く建てたいなら、工務店がおすすめです。
工務店はハウスメーカーと違って、小・中規模な地域密着型な店舗が多い特徴があります。
そのため、広告費や人件費を最低限に押さえていることができ、安く購入することができるのです。
ハウスメーカーと同じ価格で、グレードの良いものを選ぶことができますよ。
ただ、工務店ならではのデメリットがあるのも事実です。
家を建てる際は以下で紹介するメリット・デメリットや注意点など、ハウスメーカーと工務店それぞれの特徴をしっかり比較して検討しましょうね。
工務店とハウスメーカーの価格差を徹底比較
工務店とハウスメーカーでは、工務店のほうが安く建てられるケースが多いことはお伝えしたとおりです。
ここではより具体的に価格差を比較するために、建坪30坪・35坪・40坪で建てた場合を例に、両者の価格差がいくらになるのかを見ていきましょう。
工務店の坪単価の相場は50万円、ハウスメーカーの坪単価の相場は70万円
工務店とハウスメーカーの価格差を比較する上でひとつの基準となるのが、工務店の坪単価の相場は50万円、ハウスメーカーの坪単価の相場は70万円という料金相場です。
工務店とハウスメーカーのどちらもともに、会社規模や構造などによって価格にバラつきはありますが、両者の価格差を把握する意味では上記の相場がもっとも妥当でしょう。
それでは実際に、建坪30坪・35坪・40坪というよく建てられる一般的な広さを例に、両者の価格差がいくらになるのかを見ていきましょう。
工務店とハウスメーカー価格差の比較表
工務店(坪単価:50万円) | ハウスメーカー(坪単価:70万円) | 両者の価格差 | |
30坪 | 1,500万円 | 2,100万円 | 600万円 |
35坪 | 1,750万円 | 2,450万円 | 700万円 |
40坪 | 2,000万円 | 2,800万円 | 800万円 |
工務店50万円、ハウスメーカー70万円という坪単価の相場で比較すると、建坪30坪の場合は600万円、40坪の場合は800万円も工務店のほうが安く建てられることが分かります。
工務店とハウスメーカーの価格差は600万円~最大1,000万円以上
工務店とハウスメーカーでは、工務店のほうが600万円から800万円安く建てられることはお伝えしたとおりです。
相場で単純比較する以外に、価格差に影響する要素として以下の2点を押さえておきましょう。
- 大手の平均坪単価は70~90万円以上
- 間取りや仕様次第で金額は相場より高くなる
仮に大手ハウスメーカーの相場(坪単価は90万円と仮定)で40坪の家を建てると、建物本体価格は3,600万円となるので、両者の価格差は1,600万円にものぼります。
相場以外に上記の価格変動要素を加味すると、工務店とハウスメーカーでは標準グレードで600万~800万円、大手などのハイグレード住宅を希望する場合は最大1,000万円以上の価格差が生じる可能性があることを知っておきましょう。
工務店の値段が安い3つの理由
ハウスメーカーと同じレベルのマイホームを安く購入できるのに、なぜ価格が安いのか疑問に思う人もいるのではないでしょうか?
工務店はなぜ価格をおさえることができるのか3つの理由を紹介します。
- 広告費・人件費は最低限
- 建材の仕入れ方法が違う
- 設備のグレードは標準ランク
広告費・人件費は最低限
工務店が価格を安くできる一番の理由は広告費・人件費が最低限であることです。
ハウスメーカーの場合、テレビCM・チラシ広告・インターネット広告などたくさんの広告費がかかります。有名な芸能人が出演している広告も数多く存在しますよね。さらに、全国でシェアのあるハウスメーカーは人件費も莫大です。
その費用が住宅を購入する際に、上乗せされてしまいます。
一方、工務店は地域に根付いた店舗運営をしているのでハウスメーカーと比べても広告費・人件費を最低限におさえることができます。
住宅を購入する際に、その恩恵を受けることができるのです。
建材の仕入れ方法が違う
ハウスメーカーとの大きな違いは、自社製品を持たないことです。
メーカー独自の建材を研究し、制作するにはたくさんの費用がかかります。
そういった研究費がないことも、価格を安くできる要因です。
また、工務店ならではの地域の繋がり・下請け業者により、ハウスメーカーと同等の建材を安く購入できることも、コストカットに繋がっています。
設備のグレードは標準ランク
設備のグレードは購入する際に最もこだわりたいポイントですよね。
一般的な工務店の設備グレードは標準ランク。
良くも悪くも普通の設備が取り付けられることになります。
こだわりたい設備はグレードをあげて、その他は標準ランクなどメリハリをつけることで価格を安くできます。
工務店のデメリットとは?
価格が安い工務店にもデメリットがあります。
工務店のデメリットも知った上で、ハウスメーカーと比較しましょう。
- 施工にばらつきがある
- 施工期間が長くなる
- 倒産のリスク
施工にばらつきがある
工務店はハウスメーカーよりも規模が小さいことから、店舗によって施工技術にバラつきがあります。
ハウスメーカーのように全国で技術が統一されていないことから、工務店選びは特に吟味する必要がありますね。
施工期間が長くなる
工務店の施工期間は、4か月~5か月と言われています。
対して、ハウスメーカーは3ヵ月~4か月なので、工務店は施工期間が長くなる場合も想定しておきましょう。
施工中にアパートやマンションを賃貸する場合、賃貸費用が多くかかる可能性もあります。
倒産のリスク
工務店は個人経営の場合も多く、ハウスメーカーに比べると倒産のリスクは高いといえます。
もし、施工中に倒産すると家が建てられない場合もあります。
その際には、住宅完成保証制度の有無が大きく関わってきます。
住宅完成保証制度は、万が一工務店が倒産した場合でも、別の施工会社を紹介したり、支払った費用を保障してくれたりする制度のことです。
工務店を選ぶ際には、このような制度についても知っておくと安心です。
工務店のメリット
工務店のメリットは価格が安いだけではありません。
工務店のメリットも詳しく解説します。
- コスパが良い
- 間取りの自由度が高い
- アフターサービスが充実
コスパが良い
この記事でも何度も解説していますが、工務店の一番のメリットはコストパフォーマンスが良いことです。
広告費・人件費をおさえている分、購入価格が安くなります。
価格が安いとローンの負担も減り、ゆとりを持った生活ができますよね。
間取りの自由度が高い
土地の広さや環境により、住宅に様々な制約がある場合もあります。
間取りのイメージがあるのに、この土地では難しいと断られる可能性も十分にありえる話です。
工務店の場合、施工の制約が少なく、複雑な間取りにも柔軟に対応できます。
建材や設備に関しても融通がきくので、十二分こだわることができますよ。
ただ、デメリットでも紹介しましたが、工務店によって施工・対応にはバラつきがあるので工務店選びは慎重におこなう必要があります。
アフターサービスが充実
工務店は地域密着型の経営をしていることから、何かトラブルが合った際にもすぐに対応できます。
同じ地域の業者と提携していることも多く、問い合わせた当日に業者を手配してくれることもあります。
購入後も安心して住むことができますよ。
ハウスメーカーのデメリットとは?
これまで工務店の価格の安さを紹介してきましたが、ハウスメーカーと比較しなければ自分に合った施工会社を選ぶことができませんよね。
ハウスメーカーのデメリット・メリットを知った上で、検討しましょう。
まずは、ハウスメーカーのデメリットから紹介します。
- 価格が高い
- 自由度が少ない
- トラブルがあった際に後回しにされる場合も
価格が高い
ハウスメーカーの一番のデメリットが価格が高いことです。
広告費・人件費がそのまま住宅の価格に影響するのは、大規模な施工会社なだけに仕方ない部分でもあります。
ただ、イベントなどで特別価格で販売している場合もあるので、情報収集は欠かさないようにしましょうね。
自由度が少ない
ハウスメーカーは、ある程度組み立ててから、運んで施工する方法が一般的です。
同じハウスメーカーで似たような作りの住宅が多くなるのはそのためです。
この方法を採用することで土地の広さにより、希望通りに施工することが難しくなるデメリットはあります。
ハウスメーカーと工務店を比較したときに「ハウスメーカーは自由度が少ない」と感じる人も少なくありません。
トラブルがあった際に後回しにされる場合も
ハウスメーカーは全国規模の会社が多いです。
その分安心感も有りますが、トラブルがあったときに、なかなか問合せが繋がらなかったり、業者の手配が遅くなるデメリットもあります。
ハウスメーカーのメリット
ハウスメーカーのメリットもまとめて紹介します。
- ネームバリューがある
- 施工技術が統一されている
- 施工が早く、倒産の心配が少ない
ネームバリューがある
ハウスメーカーの良さは圧倒的ネームバリューです。
誰もが知っているハウスメーカーというのは、それだけで価値がありますよね。
最近では「○○ハウスで建てました」とSNSで自宅紹介をしている主婦も多いです。
施工技術が統一されている
ハウスメーカーは全国にあるので、どの地域でも同じような技術を期待できます。
東京・沖縄・北海道など気温差がある地域でも対応できるのは全国規模ならではですよね。
また、ハウスメーカーによっては独自の技術レベルをテストしているので、どの地域でも安心して任せることができます。
施工が早く、倒産の心配が少ない
ハウスメーカーの施工期間は3ヵ月~4ヵ月と短く、完成が早いです。
施工期間中の賃貸費用をおさえることができるので、早く新居に住みたい人にはおすすめです。
また、工務店に比べると倒産の心配が少ない点も施工会社選びのポイントになりますよね。
坪単価50万円前後の工務店で建つ家はどんな家?
工務店とハウスメーカーでは、それぞれ相場の価格帯で建てるとどのような家になるのか気になる方は多いでしょう。
まずは坪単価50万円の工務店で建つ家の耐震性・仕様・アフターサービスについてご紹介します。
耐震性
工務店は年間1~2棟受注する家族経営の企業から年間500棟ほど受注する企業まで幅広くあるため、耐震性も企業ごとにさまざまです。
地震への耐性を示す耐震等級で比較すると、坪単価50万円前後の工務店ではその最大値となる「耐震等級3」を取得している工務店も珍しくありません。
耐震等級3は震度6強を観測した熊本地震でも大きな被害が見られず、地震に強いことが実証されています。
耐震等級3を取得する工務店の住まいであれば、坪単価50万円前後とリーズナブルでありながら万が一の大地震でも安心できるとみてよいでしょう。
仕様(住宅設備など)
キッチンやトイレ、お風呂といった住宅設備に関しては、工務店とハウスメーカーで大きな違いはありません。
坪単価50万円前後の工務店では布基礎のワンランク上にあたる「ベタ基礎」が標準仕様であったり、住宅設備に関してもLIXILやTOTOなど大手住宅設備機器メーカーの商品から選べたりするケースも多くなっています。
そもそも、住宅設備をはじめ家の仕様は基本的に施主の希望に合わせてオーダーメイドしていくため、両者で差が生じにくい部分といえます。
アフターサービス
アフターサービスに関しては法律で義務付けられている10年間の住宅瑕疵担保責任保証のみ適用とする工務店と、初期保証20年など長期保証を約束する工務店とが混在しています。
年間500棟前後を受注する工務店であれば、24時間電話対応といったハウスメーカーと同等のアフターサービスが受けられるでしょう。
年間数棟を受注する小規模工務店の場合は、10年間の住宅瑕疵担保責任保証のみが適用となるケースも多いですが、そのぶん相場より家の総額が安くなる傾向があります。
坪単価50万円前後のハウスメーカーで建つ家はどんな家?
工務店とハウスメーカーの価格差の比較において気になるのが、両者を同額で比較したケースです。
坪単価50万円前後というとハウスメーカーの中ではローコストに分類されますが、実際にどのような家が建つのか、工務店との違いはどこにあるのかを見ていきましょう。
耐震性
坪単価50万円前後のハウスメーカーのうち、耐震等級3相当の耐震性を有している企業は多くあります。
家の工法や構造は企業ごとにさまざまですが、耐震等級3を取得していれば災害時も安心して住めるでしょう。
「耐震等級3」を取得している場合、工務店とハウスメーカーで優劣の違いはほぼありません。
仕様
仕様に関しては、工務店とハウスメーカーで差が生じにくいことはお伝えしたとおりです。
ただし、CMなどで大々的に宣伝をおこなっていたり、ハウジングセンターに出店していたりするハウスメーカーの場合はこの限りではありません。
宣伝費は住宅価格に転化されるため、住宅の標準仕様はリーズナブルなラインナップとなっていることも考えられるということです。
宣伝費にコストを費やしているハウスメーカーの場合は、価格は同額であっても工務店のほうが住宅設備が充実した高品質な住まいであるケースが多いでしょう。
アフターサービス
坪単価50万円前後だと、住宅瑕疵担保責任保証のみが適用となるハウスメーカーは多くあります。
工務店と比較すると、ハウスメーカーのアフターサービスの内容はほぼ互角といってよいでしょう。
坪単価70万円前後のハウスメーカーで建つ家はどんな家?
ハウスメーカーの相場である坪単価70万円前後という金額は、大手ハウスメーカーでの建築も視野に入る価格帯になります。
ただしメーカーによっては、何とかリーズナブルな企画住宅が購入できるくらいのラインナップに該当する悩ましい価格帯です。
坪単価70万円前後のハウスメーカーで建つ家はどのような住まいであるのかをご紹介します。
耐震性
坪単価70万円前後の大手ハウスメーカークラスになると、標準仕様で耐震等級3を取得するメーカーが大半です。
耐震実績も豊富にあり、巨大地震の際も家族を守ってくれる安心・安全な住まいといえます。
仕様
キッチンやお風呂など住宅設備に関しては、意外にも工務店とあまり変わらないケースが多く見受けられます。
なぜなら、全国展開する大手ハウスメーカーの場合は、宣伝費や人件費をはじめ住まいにまつわるさまざまなことにコストを割いているからです。
坪単価70万円前後のハウスメーカーの場合は、高い価格に比例して設備もグッとグレードアップするとは限らないことを心得ておきましょう。
アフターサービス
アフターサービスに関しては、初期保証35年など住宅瑕疵担保責任保証の10年を大きく上回る長期保証を約束する企業も多いです。
長期保証ならではの安心感はありますが、そのぶん価格面で工務店より割高となる側面は否めません。
マイホームを建てる際の注意点
マイホームは価格が安いことに越したことは有りませんが、だからといってどこの工務店・ハウスメーカーでも良いという訳ではありません。
後悔しないマイホーム作りには、施工会社選びが重要になってきます。
以下に施工会社選びの注意点をまとめました。
- 親切に対応してくれるか
- 住宅完成保証制度に加入しているか
- アフターサービスが充実しているか
- 住宅見学会などで施工事例を確認できるか
- ホームページやSNSに最新情報が更新されているか
上記の項目がクリアされていれば、ある程度希望にそった住宅が購入できます。
最近では住宅を建てた人がSNSでも口コミを紹介しているので、参考にすると良いでしょう。
マイホームは一生に一度の買い物とも言うので、長く安心してお付き合いできる施工会社を見つけましょうね。
工務店とハウスメーカーを比較した場合、両者の価格差は最大で1,000万円以上にのぼるケースもあることが分かりました。
高品質な家を安く建てたいなら、工務店がおすすめです。
坪単価50万円前後で比較した場合、工務店のほうがハウスメーカーより設備が充実した高品質な家が建てられる可能性は高いでしょう。
坪単価70万円前後のハウスメーカーと比較した場合でも、工務店は余分な費用をカットしているため、同等のクオリティの住まいが期待できます。
今回ご紹介した工務店とハウスメーカーの価格差および、それぞれのメリット・デメリットを比較して自分にあった家を選びましょう。
この記事が参考になれば、私も嬉しいです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本記事は、住まいの価値を深く理解し、家づくりの夢を現実にするための情報を提供することに活力を注いでいる「OSUSUME HOUSING 運営事務局」によって執筆されました。東海エリアを中心に、全国の住宅情報を厳選し提供しています。