持ち家と賃貸どちらが得?住み続けると持ち家になる賃貸もあるって本当?
資産になる「持ち家」か状況に応じて身軽に引っ越し可能な「賃貸住宅」、一体どちらがお得になるのか気になりますよね。
そこでこの記事では、持ち家と賃貸のメリット・デメリットや老後まで進み続ける場合にかかるコストなどを解説します。
また、新たな選択肢として注目を集める、住み続けると持ち家になる賃貸「譲渡型賃貸住宅」もご紹介するので、住まい計画の参考にしてくださいね。
INDEX-目次-
持ち家のメリットとデメリットを比較
戸建住宅や分譲マンションなどを購入して持ち家を所有した場合、どのようなメリット・デメリットがあるのかを見ていきましょう。
持ち家のメリットとは
・内装や設備などのクオリティが高い
・部屋数や広さが賃貸より余裕がある
・ローンを完済すると老後の居住費の負担が軽くなる
・間取りやリフォームなどを自由にできる
持ち家は住み心地を重視しているので、住宅の基本性能がしっかりしています。
断熱性が高いので年中快適に過ごすことができる、地震にも安心、遮音性が優れているなど、賃貸に比べて住み心地がよいのがメリットです。
また、内装の質感や広さが賃貸より充実していることが多く、暮らしが豊かになるのも魅力といえます。
さらに、後々バリアフリーにリフォームするなど状況に応じて間取りを自由に変更可能ですし、ローンを完済すれば年金を住居費にあてる負担もなくなります。
住み心地のよさと資産価値は持ち家ならではのメリットとして押さえておきましょう。
持ち家のデメリットとは
・外壁塗装など修繕費用がかかる
・固定資産税などがかかる
・マンションの場合は管理費・修繕積立金・駐車場代が一生涯かかる
持ち家の場合に困るのが、転勤になったとき簡単に引っ越しができないことです。
売るにしても人に貸すにしても相手がいなければ話が進みませんし、その際ローンをどうするかも考えなければなりません。
そのほかにも家を長持ちさせるためには外壁塗装など定期的なメンテナンスは必須となるので、毎年の固定資産税を含め維持費がかかるのは持ち家のデメリットといえるでしょう。
また、お住いの地域によって異なりますが、マンションの場合は管理費や修繕積立金などで平均して月2万~3万円前後の支払いがローンとは別に発生することも押さえておく必要があります。
賃貸のメリットとデメリット比較
では次に、賃貸で暮らすメリット・デメリットを見ていきましょう。
賃貸のメリットとは
・メンテナンス費用の負担がない
・設備などの故障は大家負担
・収入に合わせて住まいを変えることが可能
賃貸の最も大きなメリットは、転勤になったり嫌になったりしてもすぐに引っ越しできる身軽さです。
賃貸では設備の故障や取り替えにかかる修繕費なども大家さん負担となるので、持ち家に比べてメンテナンス費用の負担がかからないのも大きいでしょう。
賃貸のデメリットとは
・リフォームができない
・遮音性の低い物件が多い
・部屋は狭く収納も少ない
持ち家は年金生活になっても家賃の支払いが一生涯続くので、老後に生活の負担となる可能性があるのはデメリットです。
また、賃貸は不動産収入を目的とした物件なので住宅のつくりにあまりコストをかけておらず、断熱性や遮音性が低いなど住み心地は持ち家に劣るケースが多いこともデメリットとして覚えておきましょう。
賃貸vs持ち家、老後も住み続ける場合にかかる費用って?
賃貸も持ち家も、金額は違えど住居費の負担が一生涯続くことはお伝えしたとおりです。
ここでは、老後も住み続ける場合にかかる費用についてそれぞれ比較してみましょう。
持ち家のランニングコスト
・固定資産税などの税金
・修繕費用(外壁塗装・防蟻処理・住宅設備の買い替え等)など
持ち家の場合は、固定資産税などの税金や外壁塗装、住宅設備の買い替えといったメンテナンス費用は一生涯かかります。
ただし、ローンを完済すればその分の住居費用の負担が減るので、老後の年金生活で精神的にも経済的にも負担を軽くできるのは持ち家ならではの特徴です。
賃貸のランニングコスト
・更新料
・火災保険料など
賃貸で暮らす場合は、上記3項目のほか物件や車の有無によって管理費や駐車場などの固定費を一生涯払い続けることになります。
ただし賃貸の特徴は、支出の大部分を占める賃料をその時々のライフステージに合わせて自由にコントロールできることにあります。
子育てが終わったら夫婦2人用の一回りコンパクトな家に住み替えるなどして、家賃負担を減らせるのは賃貸ならではの特徴といってよいでしょう。
賃貸も持ち家も論外!ホテル暮らしを選択するホリエモンの意見から賃貸vs持ち家を考察
「賃貸も持ち家も不要!」との議論を展開し、ホテル暮らしを選択するホリエモンこと堀江貴文氏。
投資家・実業家の堀江氏らしい主張から、賃貸と持ち家のどちらがお得になるのかを考えてみましょう。
ホリエモンってどんな人?家族構成やライフスタイルは?
言わずと知れた、ホリエモン。
堀江流「賃貸vs持ち家」の議論を紐解く前に、一度その経歴や家族構成をおさらいしましょう。
・月収3,000万円以上とも目される資産家
・1999年に結婚し、第一子を設けるも2002年に離婚
・2021年現在は独身
・ライフスタイルは多趣味で活動的
このように堀江氏は、ビジネスもプライベートも非常にエネルギッシュな人物であることが伺えます。
よくいえばカリスマ性やバイタリティに溢れる新進気鋭の実業家であり、悪く言えば破天荒といったところでしょうか。
現在はお金の心配をする必要がないほど潤沢な資産があり、趣味を楽しみ独身生活を謳歌しているようですね。
ホリエモン流「賃貸でも持ち家でもなくホテル暮らしを選択する生き方」とは
賃貸も持ち家も必要なく、ライフスタイルの「最適化」という観点から考えたときに「ホテル暮らしがベスト」との価値観を見出した堀江氏。
そんなスマートな生き方を選ぶ堀江氏が抱く、賃貸と持ち家に対する考え方を以下にまとめました。
・ライフスタイルの変化に対応できない
・20年経つと家の資産価値はほぼゼロに等しい
・メンテナンスに費用がかかる
・持ち家より賃貸のほうが合理的
・賃貸vs持ち家なら賃貸派
自身の「ホテル暮らし」というライフスタイルはさておき、堀江氏は賃貸と持ち家で選ぶなら、自由に住み替えられる身軽さなどを理由に賃貸派であると主張しています。
ただし、ここで注意すべきは、堀江氏が「賃貸vs持ち家」を語るにあたり、あくまで投資家目線での議論に徹していることです。
投資家という職業柄、これまで堀江氏が「賃貸vs持ち家」を語る機会は何度かありましたが、いずれの場合も「マイホームなら庭でバーベキューができる」「マイホームならのびのびと子育てができる」といったソフト面に触れて話をしているわけではありません。
将来的に売り買いするなら、維持費で比較するならという不動産投資目的の切り口でトークを繰り広げているケースが多い印象です。
最終的に賃貸と持ち家を選択する際は、個人の考え方やライフスタイルを軸に選ぶことが大切といえるでしょう。
第三の選択肢⁉住み続けると持ち家になる「譲渡型賃貸住宅」とは
譲渡型賃貸住宅とは、住宅ローンを組まなくても一定期間家賃を払い続けることで、最終的には自分の持ち家になる住宅のことです。
ここでは、借りながら持ち家にする新しいマイホームの形として近年急速に普及し、注目を集めている新しい不動産システム「譲渡型賃貸住宅」について解説します。
・住宅ローン不要で、期間終了後にその土地と建物が無償で自分の所有物になる
・住みたいエリア・間取り・カラーや設備などを選ぶことが可能
・賃貸期間の建物火災保険料や固定資産税は大家さんの負担
譲渡型賃貸住宅は、ローンを借りられない人にとくにおすすめです。
また、現状では持ち家の購入には踏み切れないが、賃貸として住むなら最終的に所有権を得たい人にも最適な選択肢になるでしょう。
ただし、入居後5年以内の退去には違約金が発生するリスクがあるので、慎重に検討することも大切です。
「賃貸vs持ち家」を決める際に知っておきたい5つの要素
賃貸と持ち家のどちらがお得になるのかは個人の家族構成や価値観によるので、人それぞれ異なります。
自分にとってベストな選択をするために知っておきたい5つの要素を紹介するので、住まい選びの参考にしてくださいね。
①夫(住宅ローン名義人)がローン返済中に死亡した場合
住宅ローン名義人である夫が万が一ローン返済中に死亡した場合、団体信用生命保険に加入していれば残高が完済され、ローンが実質免除になります。
賃貸であれば夫が死亡した場合はその後も家賃の支払いが続きますが、持ち家であれば残された家族の住居費の負担が軽くなるのは両者の大きな違いとして押さえておきましょう。
老後の年金生活における住居費
持ち家であれば、ローンを完済後はその分住居費負担は軽くなり、賃貸の場合は一生涯払い続けることになります。
家賃8万~10万円前後のファミリータイプの賃貸に住んでいる場合、貯蓄が少ないと老後の住居費は精神的にも経済的にも負担になる可能性があります。
③生涯独身の場合
現状独身の方の場合、持ち家を購入する際は結婚後も住み続けるのかどうかをよく考えたうえで決めることが大切です。
賃貸であれば、今後のライフスタイルの変化にも対応しやすいのはメリットです。
夫婦二人の場合(相続する子どもがいないケース)
相続する子どもがいない夫婦二人暮らしの場合は、ホリエモンのいうようにライフスタイルの変化に応じて住まいを変えられる賃貸を選択するのもひとつです。
ただし、「子どもがいないから賃貸でOK」と安直に決めるのではなく、持ち家と賃貸の住み心地の違いや夫が死亡後の家賃支払いの負担など、さまざまなケースを想定して決めるとよいでしょう。
将来的に親から家を相続する場合
後々親から家を相続する予定がある方の場合は、相続後にその家や土地を人に貸すなど不動産として活用するのか、自分たちで住居として住む予定なのかで現在の住まいを賃貸か持ち家のどちらにするか考えるとよいでしょう。
⑤のケースでは、譲り受けるまでの間をどう過ごすかが焦点となり、先にご紹介した「譲渡型賃貸住宅」も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
まとめると、「賃貸vs持ち家」論争には以下の3つのライフスタイル的要素が大きく影響すること覚えておきましょう。
・家を自分に万が一のことがあった場合の保険として考えるかどうか
・財産として子どもに残したいかどうか
上記以外にも、老後2,000万円問題や医療費負担の増額リスク、災害などの復興税や社会保障費の増額による実質所得の減少など、日本には生涯コストを押し上げる不安要素が山積しています。
賃貸と持ち家のどちらにするか比較する際は、大別した3つのライフスタイルに加え、今後起こりうる社会不安も想定して長期的目線から考えましょう。
賃貸vs持ち家、あなたが向いているのはどちら?
賃貸と持ち家で、向いている人の特徴をまとめました。
賃貸が向いている人
以下の人は賃貸がおすすめです。
・健康状態に不安がある人
・住宅ローンを背負いたくない人
・収入が不安定な人
ライフスタイルに急な変更が訪れる可能性のある人や、長期のローン返済に不安がある人の場合は、状況に合わせてフレキシブルに住まいを変えられる賃貸のほうが向いています。
精神的にも経済的にも負担を減らすことができるでしょう。
持ち家が向いている人
以下の人は持ち家がおすすめです。
・退職までにローンを完済できる人
・100m2(約30坪)以上の比較的ゆったり過ごせる住まいを求める人
・その地に定住できる人
転勤などの引っ越しがない人や、ローンの返済計画に無理のない人、収納スペースをある程度確保したいなど広さや暮らしにこだわりのある人は持ち家のほうが向いています。
落ち着いた環境で充実した日々を過ごせるという、持ち家ならではの魅力を体感できるのではないでしょうか。
賃貸vs持ち家の結論は難しい!生涯コストと家族構成からどっちがお得かしっかり見極めよう
今回は賃貸と持ち家のどちらを選択するか決めるうえで知っておきたい、それぞれのメリット・デメリットや住み続ける場合にかかる費用などご紹介しました。「賃貸vs持ち家」の結論は、それぞれのライフスタイルや家族構成によってさまざまです。今回の記事を参考に、生涯コストや家族構成と照らし合わせてどちらが自分に適しているのかしっかり見極めましょう。
本記事は、住まいの価値を深く理解し、家づくりの夢を現実にするための情報を提供することに活力を注いでいる「OSUSUME HOUSING 運営事務局」によって執筆されました。東海エリアを中心に、全国の住宅情報を厳選し提供しています。